ここ数年、日本で急速に注目を集めている「アガベ」。
特に“チタノタ系”や“厳竜系”と呼ばれる希少種が高額で取引され、コレクション性の高い観葉植物として愛好家が急増しています。
なぜ今、日本でアガベブームが巻き起こったのか?
その背景には、SNSでの拡散力や海外からの輸入事情の変化、さらには趣味の多様化といった複数の要因が隠されています。
この記事では、アガベ人気の裏側に迫ります。
アガベとは?基本をおさらい

アガベは中南米原産の多肉植物で、乾燥に強く個性的なロゼット状の姿が特徴です。
種類も豊富で、「アガベ・アテナータ」や「アガベ・チタノタ」など観賞価値の高い種が多く存在します。
特に人気なのが、鋸歯(葉の縁のギザギザ)が力強く美しいアガベ・チタノタや、極端にコンパクトでユニークな姿の姫厳竜(ヒメゲンリュウ)など、フォルムや希少性に富んだ品種です。
なぜ今、アガベがブームに?主な4つの理由
1. SNSでの拡散と“見た目映え”

InstagramやX(旧Twitter)では、独特なシルエットやフォルムが映える植物としてアガベの写真が多くシェアされるように。
陶芸家による一点物の鉢との組み合わせで、「映え×芸術性」の文脈でも注目を集めています。
→ SNSの普及により、趣味の植物が”所有から発信へ”と進化したともいえます。
2. コロナ禍による“自宅趣味”の拡大

外出制限の影響で、ガーデニングや植物収集に関心を持つ人が増加。
特にアガベは育て方が比較的簡単で、小スペースでも育てやすいため都市部のユーザーにも受け入れられました。
3. 海外からの輸入ルートの整備と多様化

以前は入手が難しかったメキシコ原産のアガベも、輸入代行や個人輸入のハードルが下がり、日本国内でも入手可能に。
さらに、台湾や韓国のナーセリーからの輸入品や選抜株(セレクト株)も人気を後押ししています。
4. 資産価値・希少性の高さが話題に

希少なアガベは、オークションで数万円〜数十万円で取引されることもあり、観葉植物の中でも投資性が高い分野として注目されています。
なかには“植物投資”の一環としてアガベを育てる人も。
陶芸・鉢作家との融合も人気の後押しに

アガベはアート性の高い鉢と合わせて飾られることが多く、観葉植物という枠を超えて“芸術作品”としてコレクションされることも。
国内外の陶芸作家による一点物の鉢に植えられたアガベは、Instagramでの投稿や展示販売会で話題となることが増えています。
今後のアガベブームはどうなる?

一過性のトレンドというよりは、「本物志向の趣味」として根付いていく可能性が高いのがアガベブームの特徴。
一方で、コピー品や増殖の乱発による品質のバラつき、価格崩壊などのリスクも懸念されています。
本物の良株を見極める目が、今後のブームの中でより重要になってくるでしょう。
まとめ|アガベブームの裏にある「時代の流れ」
- SNSによる視覚的な魅力の拡散
- コロナ禍での趣味ニーズの多様化
- 海外からの輸入ルートの発展
- 資産性・希少性が評価されるトレンド
これらの複数の要素が重なり、アガベは日本国内で一大ブームとなっています。
アート性・資産性・育てやすさの三拍子が揃ったアガベは、今後も観葉植物市場の中心的存在として注目を集めていくでしょう。
コメント