「サボテンのトゲはどこから生えるの?」
そんな疑問に答えてくれるのが、「刺座(アレオーレ)」というサボテン特有の構造です。
この記事では、刺座の正体や構造、そして驚くべき機能について、正確な情報をもとにわかりやすく解説します。
刺座(アレオーレ)とは?

刺座(英: areole)とは、サボテンにだけ見られる特殊な成長点のこと。
これはトゲの基部にある小さな円形や楕円形の綿毛状の部分で、トゲや花、新しい茎などを生み出す“成長の司令塔”です。
- トゲ(棘)はこの刺座からのみ発生
- 花芽(つぼみ)も刺座から出る
- ときには新しい枝(茎)もここから形成される
つまり、刺座はサボテンにおける「生命活動の拠点」なのです。
トゲは“葉”の変化だった?

サボテンのトゲは実は、進化によって変形した葉です。
乾燥地帯に適応する過程で、葉が細く硬いトゲに変化し、水分の蒸発を防ぐ役割を持つようになりました。
そして、このトゲを支える土台として、刺座が発達したと考えられています。
【豆知識】
トゲの根元にある綿毛のような部分は「毛状突起」や「微毛」と呼ばれ、若い刺座に多く見られます。
刺座の位置と構造はどう違う?

刺座の構造や分布は、サボテンの種によって異なります。
サボテンのタイプ | 刺座の特徴 | 例 |
---|---|---|
球状サボテン | 等間隔に並ぶ、トゲが密集 | 金鯱(エキノカクタス) |
柱状サボテン | 縦に整列し、毛が目立つ | セレウス、鬼面角 |
扁平なサボテン | 刺座が広がり気味 | ウチワサボテン(オプンチア属) |
刺座の密度や形によって、サボテンの見た目や雰囲気も大きく左右されます。
トゲだけじゃない!刺座の“多機能ぶり”

刺座はトゲを出すだけでなく、花や新芽の成長点としても働くという多機能な器官です。
- 開花期になると、刺座から花芽が形成される
- 枝分かれするタイプのサボテンでは、刺座から新たな茎が伸びる
- 怪我をした際には、刺座が再生の起点になることも
このように刺座は、サボテンにとって「未来をつくる場所」ともいえる存在です。
まとめ:刺座を知れば、サボテンがもっと面白くなる
刺座はただのトゲの根元ではなく、サボテンの成長・繁殖・防御すべてを担う重要な構造です。
トゲの形や刺座の配置を見ることで、サボテンの種類や性質を見分けるヒントにもなります。
刺座=サボテンの司令塔
そんな視点で見てみると、サボテン観察がもっと楽しくなりますよ!
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