アガベ チタノタ(Agave titanota)は、荒々しい鋸歯と力強いフォルムが特徴の人気種です。
その中でも特に珍しい選抜個体のひとつが ‘鯊魚劍’(Shark Sword) です。
‘Shark Sword’は、台湾発祥の希少なアガベで、逆刺の鋸歯と鮫肌のような葉質が特徴です。
ライムグリーンの美しい葉がボール型のロゼットを形成し、成長とともにその特徴がより際立ちます。本記事では、‘Shark Sword’の 特徴・育て方・入手方法 について詳しく解説します。
1. アガベ チタノタ(Agave titanota)のシャークソードとは?

シャークソード(Shark Sword)は、アガベ チタノタ(Agave titanota)の中でも特に鋸歯の形状が際立つ品種であり、その名の通り、サメの剣のような鋭く逆刺状のトゲが特徴です。
(1) シャークソードの特長
- 鋭い逆刺の鋸歯 :通常のチタノタよりも大きく発達したトゲがあり、まるでサメの歯のように鋭い。
- 葉の質感 :表面はざらつきがあり、まるで鮫肌のような触感を持つ。
- ロゼット形状 :葉が厚く、丸みを帯びた美しいボール型を形成しやすい。
- 水に触れると変化 :水を含むと鋸歯部分が黒く変色し、異なる表情を見せる。
(2) シャークソードの成長と育成ポイント
- 成長速度 :他のチタノタと同様にゆっくりと成長する。
- 育て方のコツ :
- 強い日光を当てることで、葉の厚みや鋸歯の発達を促す。
- 乾燥気味に管理し、根腐れを防ぐために水はけの良い用土を使用。
- 低温にはやや弱いため、冬季は室内に取り込むのが理想。
2. シャークソードの育て方

(1) 日照条件
シャークソードは強い光を好み、日当たりの良い環境で育てることで鋸歯がより際立ちます。
しかし、真夏の強い直射日光にさらされると葉焼けのリスクがあるため、遮光ネットを活用すると安全です。
冬季は日照時間が短くなるため、室内管理の場合はLEDライトを利用し、十分な光量を確保することが重要です。
- 強光で鋸歯が際立つ
- 夏は遮光ネットで葉焼け防止
- 冬はLEDで光量確保
(2) 水やりのポイント
シャークソードの水やりは、土が完全に乾いてからたっぷり与えるのが基本です。
冬場は休眠期に入るため、水やりを控えめにして過湿を防ぎます。
また、風通しの良い環境を確保することで、根腐れや病気のリスクを軽減できます。
- 土が乾いたらたっぷり水やり
- 冬は控えめにして休眠を促す
- 風通しを良くして過湿を防ぐ
(3) 適した用土
シャークソードを健康に育てるためには、排水性の高い土を使用し、根腐れを防ぐことが重要です。
目的に応じた土の配合を選ぶことで、より適した環境を作ることができます。
- パターン別おすすめの配合例
排水性重視 | 保水性重視 | 通気性重視 | |
---|---|---|---|
軽石(中粒) | 60.0 | 20.0 | 20.0 |
赤玉土(小粒) | 10.0 | 30.0 | 20.0 |
鹿沼土(小粒) | 10.0 | 30.0 | 20.0 |
ゼオライト | 10.0 | 10.0 | 20.0 |
日向土 | 10.0 | 10.0 | 20.0 |
3. シャークソードの増やし方

(1) 子株の分離
- 株元に子株が発生したら、葉が3枚程展開させてから切り離すのが理想。
- 乾燥後に殺菌剤(ベンレートなど)を塗布し、腐敗や病気を防ぐ。
(2) 実生(種からの育成)
- 発芽には25~30℃の高温環境と高湿度が必須。
- 発芽には2~4週間かかるため、適切な換気と管理が必要。
(3) 胴切り(トップカット)
- 成長点の部分を切断し、残った株から子株を発生させる方法。
- 切断部分は乾燥させ、殺菌処理後に適した用土へ植え付ける。
- 数ヶ月かけて新たな子株が発生し、増殖できる。
(4) 縦割り
- 株を縦方向に割ることで、複数の成長点を作り出す増殖方法。
- 成功率はやや低いが、大きな株から複数株を得ることが可能。
- 切断面は乾燥後に殺菌し、発根を促すための管理が重要。
4. シャークソードの入手方法

(1) 国内での購入
- アガベ専門店やオンラインショップ、オークションで購入可能。
- 園芸イベントや植物販売会でも入手可能。
(2) 海外からの輸入
- 台湾や中国での流通が多く、個人輸入も可能。
- 植物検疫の手続きが必要 なので注意。
5. まとめ
‘Shark Sword’は、その鋭い逆刺の鋸歯と美しいロゼットフォルムが特徴的な希少アガベです。
育成には強い光と水はけのよい土が必要であり、成長は比較的遅めですが、その分長く楽しめる魅力的な品種です。
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